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Too-min男
春の終わりに知り合った男は、秋になっても私を抱こうといたしませんでした。
仕方がないので、私は自分で自分を慰めることにいたします。おかげで私の指先はすっかり高性能に成り果ててしまいました。
自分がどこを可愛がればどう反応するのか、それをしたたるほどに知り尽くし、そしてこれ以上はない精密さで動き回る私の指先たち。それはまるで羽虫のように見えさえも。
確かに私の指は私を気持ちよくもさせましたが、一方、とても悲しい物思いにもさせてくれました。
本当だったら、この指は彼の指やら舌でなくてはならないはずです。自分の身体のことを自分が1番熟知してるだなんて、そんな切ないこと、この世に存在しうるとは!
私は彼に恋焦がれるあまり、しかしそのことを彼に言えずにおりました。
もし、もし私がこんなことを言って、彼にふしだらな女だと思われたら? その結果、彼が私の元を去ることになってしまったら?
ああ、私は果たして生きていかれるでしょうか? これからの長い人生。それを彼なしに。
……実際、私は彼と出会う前の自分を思い出すことすらできないのです。彼がいてこその私。私の肺は彼と出会ったその瞬間から酸素を取り入れ、私の心臓は彼と出会ったその瞬間から血液を送り出すようになったのですから。
彼を失う。その悲しすぎる想像によって、耐え切れないほど狂おしい気持ちに襲われ、そうして私の指はまた、いつもどおりに私の敏感な部分を優しくまさぐり出しました。
きつく目を閉じると、自分の指がまるで彼の指のような、そういう気がしてまいります。まぶたの裏では、私はもう千回も万回も、彼に抱かれているのです。
彼の温かい胸に抱かれ、その唇と指とでさんざんにいじめられ、辱められているのです。
私の妄想の中の彼は、悪魔のようにいやらしく、痛いほどに私を掴み上げ、絶頂の淵に連れて行き、冷酷にその谷に突き落とすのです。
未完だけど、いただきものの男性視点Ver.があります。